虫の知らせか何か...
思い立ったように動く
当然、ただ行く訳にも行かず仕事の用件を作る
元々“遣りたいこと、試したいこと”があった場所
久々に乗り込んだ
一番の理由は...亡き両祖母の命日が数日前、そして数日後にあったから
今日は、地元になるお寺を回り、一路 “楢葉町”へ
母の実家で、小さい頃は毎週の様にいわきから楢葉間、車で1時間ほどの距離をドライブ感覚で通ったっけ
先に、実父の眠る本家の墓参り
手を合わせ、目を瞑り長い間心で会話をする
気持ちを新たに車を走らせる
色々な思いで静かな心の波を感じるがまま、昔観た風景と、何処か異空間のような変わり果てた風景を目で追う
母方のお墓を訪れる前に、母の生家に向かい...?!
不覚にも、大きく通り過ぎて次の景色を見てから気付く...急いで車を折り返す
そうだ...完全にスルーしてしまった風景に...私の知っている光景は既になかった
思い出した...誰も戻らない街、全てをゼロにし更地にしたと聞いていたことを
ロープで囲われた、“そこにあったであろう”場所に降り立つ
何故か自然と流れる涙
面影が残る庭の石や池など...数え切れない思い出がそこにあった
人も家も消えた
そこに広がるは、手付かずの雑草が生えしきる平地
崩れ落ちそうになるのを必死で堪える
何処か後ろ髪引かれる思いで、その場を立ち去った
高台にある見晴らしのよい丘の上に密集した墓石がある
周囲に人気はない
線香を手向けゆっくりと周りを見渡す
その後、最寄の駅や叔母の家、周囲を想い出に任せ探索するのように車を走らせる
隣の家も、その隣の家も、あそこにあった魚屋も電気屋も...母や従兄弟の母校である小学校ですら全てが“消えて”なくなっていた
本当にここに、人がまた戻るのだろうか
あの頃の活気と、人の笑顔が...果たして戻るのだろうか
何処か祈る気持ちの自分に気付く
「今までありがとう」
そして...
「またくるからね」
皆さんも知ってほしい、“消え続ける”地域が未だあることを
藍-生きている意義を示せ-の人