2019年06月04日

消えた

虫の知らせか何か...

思い立ったように動く

当然、ただ行く訳にも行かず仕事の用件を作る

元々“遣りたいこと、試したいこと”があった場所

久々に乗り込んだ

一番の理由は...亡き両祖母の命日が数日前、そして数日後にあったから

今日は、地元になるお寺を回り、一路 “楢葉町”へ

母の実家で、小さい頃は毎週の様にいわきから楢葉間、車で1時間ほどの距離をドライブ感覚で通ったっけ

先に、実父の眠る本家の墓参り

手を合わせ、目を瞑り長い間心で会話をする

気持ちを新たに車を走らせる

色々な思いで静かな心の波を感じるがまま、昔観た風景と、何処か異空間のような変わり果てた風景を目で追う

母方のお墓を訪れる前に、母の生家に向かい...?!

不覚にも、大きく通り過ぎて次の景色を見てから気付く...急いで車を折り返す

そうだ...完全にスルーしてしまった風景に...私の知っている光景は既になかった

思い出した...誰も戻らない街、全てをゼロにし更地にしたと聞いていたことを

ロープで囲われた、“そこにあったであろう”場所に降り立つ

何故か自然と流れる涙

面影が残る庭の石や池など...数え切れない思い出がそこにあった

人も家も消えた

そこに広がるは、手付かずの雑草が生えしきる平地

崩れ落ちそうになるのを必死で堪える

何処か後ろ髪引かれる思いで、その場を立ち去った

高台にある見晴らしのよい丘の上に密集した墓石がある

周囲に人気はない

線香を手向けゆっくりと周りを見渡す

その後、最寄の駅や叔母の家、周囲を想い出に任せ探索するのように車を走らせる

隣の家も、その隣の家も、あそこにあった魚屋も電気屋も...母や従兄弟の母校である小学校ですら全てが“消えて”なくなっていた

本当にここに、人がまた戻るのだろうか

あの頃の活気と、人の笑顔が...果たして戻るのだろうか

何処か祈る気持ちの自分に気付く

「今までありがとう」

そして...

「またくるからね」

皆さんも知ってほしい、“消え続ける”地域が未だあることを

藍-生きている意義を示せ-の人

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posted by 株式会社INDIGOBLUE at 19:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする